思考の足あと

何を考え、感じていたのか。

体調が悪いとろくな夢を見ない。あの頃からこびり付いてくる夢の残滓はもう見慣れてしまった。

今日は遊園地にいって弟妹を遊ばせた気がする。どこだかは覚えてない。

残滓にデートねだられた気がする。どこへ行くか考えていた。

そんでフェンスで切り取られた区域。道路に沿うように横長で、全長は幾つだろう。恐らく杉である針葉樹が空を覆い尽くして、とにかく薄暗かった。一歩踏み入れると、地面は腐葉土のように柔らかく、少し沈んでは僕の靴を包み込む。土の匂いが立ち込めていた。

そこを残滓と弟と歩いていく。僕は不思議にもここがどこか知っていたようだ。パラパラと葉の隙間を縫った光の粒らは僕らを申し訳なさそうに照らしている。ふと木の根元を見ると、何かが落ちていた。それが何かは忘れてしまったけど——たしかゼリーかなんかのパッケージ?——拙い字で落書きしてある。はは、これは弟が小学一年生のときに僕と弟で落書きしたやつだ。そのあともテストのプリントやなんやが見つかる。決して僕らの思い出のセンターにはなれないような、日常の思い出だったもの。そんな優しい過去が木漏れ日と同じように地面に落ちていた。

そう、ここはゴミ捨て場らしい。俺はこのゴミ捨て場が好きだといった。過去を振り返ることができるからだと。残滓はやっぱり複雑そうな顔をして、でも弟は僕に同調してくれているようだった。俺がどちらを選ぶかはもう決まっていたんだろう?過ぎ去りし夢の…

俺は目が覚めた。