ある学者がこんな説を世に出したことがある。
「◯量の多いものほど、能力の形質変化が少ない」
データに裏打ちされたものではなかったが、語られた理由には一定の合理性があった。
出力の余裕はやがて、対応できる状況の幅を増やす方へと生存の力学が働く。
より少ない手数で、どんな状況にでも対応できることが、強者の哲学となるのだ。
この世で最も◯量に長けている種族ー古龍ーその中でも飛び抜けた◯量を持つ彼女の能力は
より単純に、より原始へと回帰した結果、もはや能力とは呼べないものになっていた。
形質変化を一度も起こさずに体外へ放出するソレは
単なる力の奔流。圧倒的な物量による暴力。