2020-08-15 ■ そこにあったのは乾いた日常だった。 知はすべてを豊かにはしてくれない。世界が広がるだけ、自分がちっぽけに見えるからだ。周りのことがすべて、どうでも良くなってくる。 コンクリートのジャングルをスマホを持って歩く。決して前を向かず、情報の海をその小さな窓からのぞいている。 無知は人を豊かにさせていたのだ。色あせた日常からは感情が消えるだろう。動物からの乖離が激しい。 夏のセミの音。季節という催しに僕らはとっくに興味がなくなってしまったのに、彼らはそれを知らないのか、依然鳴くのだ。